From:健太郎

 

「メバルは潮を釣れ」

 

メバルを釣る人なら聞いたことがあると思うのだけど、これって別にメバルに関してというよりフィッシングの基本だったりします。

 

というわけで、今回はフィッシングの基本とも呼べる「流れ」に関しての基本を少し書いてみます。

 

「めばるing」ではこれから先にレオン師匠が色々と書いてくれているけど、これらは基本的に今回のことがある程度分かった上での話しが多い。

 

流れとはそれほど基本的なものなので、ぜひこれを意識してフィールドに立ってみてください。

 

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まず、魚は水の中で生きているので流れに対して異常に敏感なことを覚えておきたい。言えるのはルアーを選ぶ前にやることがたくさんあるということ。

 

ルアーを投げる前に投げるべき場所がある程度予測できるようになれば大したもので、私なんて「めばるing」を立ち上げる前にレオン師匠が掲示板に書いた内容を何度も読んで実釣し、バク(釣具店)の北村さんに何度も教えられて何度も何度も体験して、ようやく体で覚えたという感じ。

 

その中で北村さんによく言われたのが・・・

 

 

「まずは釣り場を地図から大きく捉える」

「風向きで風の反転流を探す(ベイトが表層系の場合)」

「釣り場に立ったら後ろの地形を見る(そこから海底を想像する)」

「離れた沖磯が近くにあるなら陸地とその間の海底を想像する」

「釣り場の質を見る(磯なのか岩なのか等)」

「流れを読み取る」

「反転流を理解する」

これらを普通にやっている方がいわゆるよく釣る人。

これが息をするように出来ればどこに行ったってその人は釣ると思います。

俗に言う「森を見て枝を見る」です。サーフ(砂浜)はもとからサーフがあるわけではなく、流れが必然的に作ったものです。

 

ただ、これらのことは教えられただけだとやっぱり全然ダメで。

自分で実践して理解しないと使えません。というのも経験値が少ないとこれらの情報は魚との接点が遠く感じてしまい、残念ながら実感として理解できないんです。

 

少し戻って「流れ」に関して。

 

フィッシングは流れを理解すると見えてくるものが非常に多いです。

 

その流れの要素としてエディー(反転流)というのがあります。これは流れる方向に対して反対側に水が移動する流れのこと↓

図は川を上から見た図で、川の中に岩がある状態の流れを書いたもの。

 

これがいわゆる「横の反転流」だ。泡が反転流に溜まっているのを見たことがある人は多いはず。

 

川で砂浜になっている場所は反転流が出来る場所です。

 

今度は「縦の反転流」(断面図)

これが縦の反転流。(実際は立体的な反転流)

海底に岩などがあるとこういう流れが発生する。

 

まずこの基本的な流れ方を理解する。(最重要事項)

じゃあ、なぜ反転流を覚えるのか。

それは魚が反転流を意識しているから。

 

ある程度メバル釣りをやっている方なら知っているだろうけど「メバル柱」というのがある。これはメバルが群れて柱状になっている状態を指す言葉なのだけど、これはメバルが反転流を意識しているからこそこういう状態になりやすい。

 

例えば海底に岩が1つあったとする。そこに海流がぶつかって縦の反転流が形成される。その時、大量のアミエビが流されたとしたら、どういう流れに乗るだろう?それを考えるとメバルの位置とメバル柱の意味が分かってくる。

 

効率が良いのは海底の岩にぶつかり巻き上がった場所。そこの位置に留まれば目の前に次から次へとアミエビが流されてくるではないか。メバルはそれをよく知っている。

 

というか知る知らないではなく、ご飯を食べようと思ったなら必然の行動になる。

 

あなたがメバルなら?を考えるってこと。

ライオンが水辺の「風下」で狩をするのと非常に似ている。

 

これらが「流れ」の基本中の基本。

 

というわけで、簡単な問題。

次の図でメバルを釣りやすいのはどこ?

 

(外灯周りの図)

まず、外灯との関係。この明かりにベイトが寄るならこの周囲が怪しい。

次に意識するのは明暗の境目。基本的に明るい場所から暗い場所は見えにくいけど暗い場所から明るい場所は見やすいというのがある。

(懐中電灯を向けられるとまぶしくて相手は見えないけど向けた方はよく見える)

 

というわけで、明暗の境目で魚が釣れる場合が多い。

(ベイトが完全に明るい場所に行く前に捕らえたいのだと思う)

次に潮の向き。魚は基本的に潮上に向くので右方向を向いている。

(体自体が前進する構造)

 

さあ、あなたがメバルならどこに陣取る?

 

というわけで、この条件の中で一番確率が高いのは1番。

 

分かってしまえば結構簡単。

 

ただ、これは他に条件がないからであって、例えば見えない位置にストラクチャーがあったり、メバルの外敵の存在があったり、ベイトの種類だったり、群れの規模でその位置関係はまた違ってくるのを忘れてはいけないけど。

 

もう一歩話しを踏み込む。

釣りをしていて同じポイントでも釣れる場所が微妙に違ったという経験はないだろうか。例えば「今日は前回より3m左だ」とか。

 

その要因は潮の強さが関係していることが非常に多い。単純な話、流れが速いと反転流は大きくなる。すると必然的にエサが運ばれてくる位置が変わる=位置がずれる。

 

これまた単純な話でもある。

 

図を描くとこんな感じ。

これでもう1つ頭に入れておいた方がいいのが「強すぎる流れ」や「弱すぎる流れ」だとその場所がポイントとして機能しない場合があるってこと。

 

これらを意識しながらその場所にルアーを通すのが基本。まあそれだけの話なのだけど、これが実はそんなに簡単ではない。

 

この状況はタックルバランスの差が出やすい。例えば2人並んでキャストしたとする。片方は2ポンドフロロに1gのジグヘッド、もう一人はPE0.8号に0.6gのジグヘッドだとする。

 

この場合、飛距離やライン、ジグヘッドの重さ等で任意の棚に通せる通せないの差がでる場合が結構あるからだ。この辺の調節が中々難しく、面白いところでもある。

 

更にもう一歩踏み込む。

 

メバルでの話しをすると、同じ強さの流れが続いていたとしてもメバルは同じ位置にずっといるわけではないということ。

 

というのもメバルのベイト(今回は遊泳力の弱いアミ類と仮定)となるものは一定間隔で流れてくるわけではなく、ムラがあるのが通常だから。そして基本的には大きいベイトの群が流れてきたらそれを捕食しながら、その群れの下に付いて同じように潮下に流されながら捕食する。

 

そしてある程度流された後に、先ほど定位していた付近に戻ってくるという繰り返し。巻き上げのベイトを待っているメバルの場合はこういう行動パターンをする場合が多い。

 

ここで重要なのはメバルの捕食スポット。

 

群れが大きければ捕食スポットの後ろにルアーを通しても釣れる。群れが小さければ釣れない。捕食スポットの前は何度通しても大抵釣れない。(たまにデカイのが出る。その要因も分かるけどそれは想像してみてください)

ちなみに、捕食スポットの最前線を捉えるのがベストかなと。

 

良い位置には良い魚が付いているから。

捕食スポットの後ろ側の固体を釣って警戒させる前に良い場所にルアーを通せたなら、かなりの確率で良い魚が出る。

 

というわけで、同じ釣り場に何度も通うと流れの強さを見るだけでメバルの位置関係がある程度は分かってくる。

 

そして必要なのは「想定の精度」だというのが実感として分かってくる。

 

それでこれが実感できて慣れてくると結構面白いこともできる。

その1つが図(流速「小」「大」の図)で書いたライン通りにリグを操作して口元に運んで釣る方法。通常、任意の棚が解かれば少々どういう通し方をしても食ってくるのだけど、スレてくるとこれが中々食わない。というわけでリグを軽くして巻き上げながら放物線にリンクさせる。(もちろん潮の速さに合わせて)

 

これらをルアーで演出できれば、それはもう大したものだと思う。

 

さらに一歩踏み込む。

 

今度はこの放物線上でリアクションバイトを獲る方法。

これは魚がいるのが分かっているのにルアーに反応しない状態でリアクションを起こさせる方法なのだけど、先ほどと同じように放物線上のラインを「かなりの早巻き」で通す。この場合、リグは少々重たくても良い。(重たい方がやりやすい)一旦ボトムをとってからの急激な巻上げで放物線の少し上ぐらいを意識して巻上げ、反射食いさせる。(メバルの群れの下からルアーを突き上げるのはNG

 

釣れなくなった後でも何匹か反応させやすい。

 

 

 

「メバルは潮を釣れ」

 

 

 

この意味するところをなんとなく分かって頂けたでしょうか?

 

ちなみに、今回書いたことはメバル釣りの「一部」です。

基本だとは思うけど。

 

今回の話は「流れ」というファクター(要素)と「群れのメバル」というファクターを意識した釣りの話。ベイトの遊泳力が優っていれば、またそれなりのやり方があったり、季節でのパターンや、マズメでの傾向等、

色んなファクターがあるけど、その時その場所でファクターの優劣があって、それを推測し、理解し、追従すれば、メバルがドンドン近くなる。

 

 

めばるing・・・中々奥が深いでしょ?