Written by leon

 

30センチをはるかに超えるモンスターメバルを畏敬の念と憧れを含めて「メガメバル」と名づけてみました。青地メバルに「ブルーバック」と名付けて以来の命名ですが自身非常に気に入っています。

 

私がまだ竿釣りクラブ(述べ竿による、メバル主体釣りクラブ)に所属していた20年前頃は、20センチ後半台のメバルを釣ってきても、一般の方には「そりゃーホラじゃ、メバルっちゃあだいたい18cmじゃろーが、そんなん居るかい!」と疑われたものでした。

 

しかしこのクラブの釣り会の折に審査会場に持ち込まれるメバルのサイズはソレは壮絶でした。2匹~3匹長寸で争われるのですが、ある日の先輩が持ち込んだ3匹はナント合計1mを超えるすさまじい釣果でした。

 

クラブの累積記録でも「全長37cm」と言うモンスターが実際にキャッチされ、クラブ公式記録(魚拓寸)として残っています。

 

これらはすべて「のべ竿」による餌釣りでの記録ですが、さすがにここ数年はだんだんとペースが落ちてきて30センチ前後はともかく、35センチを越えるようなモンスターの話はトンと聞かれなくなりました。

 

ところが2004年の春、とんでもないニュースが私の耳に飛び込んできました。6月に春アオリを狙っての山陰釣行のさいに立ち寄ったなじみのショップでのことですが、荒磯で平スズキを狙っていたアングラーに42cmと言う、尺を見慣れた私ですら耳を疑うようなスーパーモンスターが釣れたという事でした。

 

魚はショップに持ち込まれて検寸されたものですから、ほぼ間違いのない情報なのですが、ご当人は「外道で釣れたものだから自慢にならない」と、店内展示や雑誌への掲載を固辞されたようです。おそらくは相当気合の入ったスーパーアングラーなのでしょう…。

 

「メバリングで、狙って釣ろう!MEGAメバル!!

 

さて、ともあれ、私が改めて「メバリングによる尺メバル釣り」を思い立ったのは2003年の秋頃で、過去の経験から推し量って「通常のメバリングタックルでは歯が立たない」という事がまずありました。以来丸一年、数少ない尺狙い釣行でしたが多少のデータが蓄積できたのでここに公開いたします。

 

メバル釣りの本来の楽しさは決して「サイズにあらず」とは思いますが「尺」は「一度は釣ってみたい」と思うのがアングラーの正直な思いでしょう。そう言った方達のために少しでも参考になればと思います。

 

●尺のエリア、ポイントの選定

コレは一概に限定しにくい部分もありますが、あえて絞り込んで確率を高めるためには必要な作業だと思います。さらに、私が思う「尺のエリア」はあくまで「中国地方のごく一部地域でしか自身の実績がない」ことも付け加えて置きますが、メバル好きな私の耳には過去全国のあちらこちら、東京湾や長崎や北陸から「尺ゲット」の情報が舞い込み、私自身も北海道のある堤防で28cmを釣っておりますし、決して一部地域だけの釣りではありません。

 

「エリア」(目安)

1.概して外海に面したエリア(の、少し内側、何かのそば)

2.湾内でも入り口付近(湾奥では低確率)

3.本流の近く

(潮通しの良い場所、いつも動いている場所でないとダメ)

4.潮通しの良い広大なウイードエリア

5.潮がもろに当たる堤防、テトラなど

6.小さなサラシが出るような磯場、沈み根

 

「ポイント」(ルアーを通す場所)

1.かけ上がりの付け根、かけ上がりの肩

2.湾入り口の潮が巻く場所

3.流芯の脇

4.ウイードの付け根、ウイードのトップ

5.堤防の潮が当たる場所、沈みテトラのトップ

6.さらしの脇、磯の付け根、磯際などですが、こう書いて見ると普通にメバルを釣るポイントと大差はありません。ですが実際には普通のメバラーが手を出さない場所で上記の条件を備えている所が非常に重要となります。

 

例えば、18センチクラスがたくさん群れている場所では25cm級はめったに釣れません。したがって、25cm級がいる場所には尺メバルはめったにいないという事が当てはまるのです。尺をひたすら狙うのであれば「過去に人が釣っていない場所で諸々の条件が合致する場所」を探すという事がキモとなるでしょう。

 

竿釣りクラブA星氏のポイントである島根県のある場所などは「メバルはめったに釣れないが、釣れたら尺オーバー」と言う特殊な状況ですし、この辺にMEGAの秘密があるのかもしれません。

 

●タックル

30センチ前後であれば通常のメバルタックルでもキャッチできるのですが、コレが32cm~35cmクラスになると様相は一変します。激しい突っ込みと猛烈なヘッドシェイクで、ロッドはノサれフックはひん曲がり、はてはラインブレイクへとつながります。

 

まして35cmを超えると目されるようなスーパーMEGAは想像を超えます。私自身も述べ竿の頃ですが2号ハリス(昔の安いハリスで、述べ竿だからですが…)を何度もぶった切られています。

 

めったにヒットしない超ど級をせっかく掛けても獲れなければ意味はありませんから、それなりのパワーセッティングが必要となります。

 

「オススメロッド」

GRF-TR85 "PE Special"

GRF-TR93 "PE Special"

 

尺が狙えるたいていのシチュエーションから見て、できれば7フィート以上が望ましいと思われます。

 

●リグ

 

※ジグヘッド

通常のメバル用より太軸のジグヘッド。

 

※ワーム

ピンテール系をメインで1.5in~4in程度。

 

※飛ばし浮きも有効

 

※ライン

1.ナイロン6ポンド、フロロ5ポンド、PEライン0.5号など。

 

※リーダー

1.フロロリーダー1.7号~2号を1.5メートル程度(テトラなどの根ズレ対策)

 

※ハードルアー

1.トップ~シンキング、メタルジグ等各種。

2.5cm10cmクラスまで有効。

 

●その他の装備

 

1.玉網

 

尺メバルを狙う場合、海面に手が届けばハンドランディングできますが、特に島根県などの山陰部では堤防や巨大テトラ帯などで釣りをするケースが多く、ランディングが困難なケースが多々あります。さらに30㎝前後ですと何とか抜き上げる事ができますが、35センチ近くなるとかなり難しくなるので玉網が必要でしょう。

 

《注》

テトラ帯で釣りをする場合、玉網を背負っていると大変危険です。柄のお尻が後ろのテトラなどに突き当たると、反動で前のめりに転落するようになります。「テトラを下りる時は手に持って」「釣りをするときは届く位置において」からはじめてください。

 

救命胴衣

コレも同じく巨大テトラ、高い堤防、荒磯、での必需品です。

(最近は持っている方が増えましたね)

 

特に冬場は着膨れで動きが悪くなります。重なり合ったテトラを降りるときには薄型で動きやすいものがベストです。防寒着やライフジャケットの素材はツルツルして岩などに引っかかりにくいものが良いでしょう。

 

スパイクブーツ

なんと言ってもコレが一番の必需品かもしれません。

(ライフジャケットは持っててもスパイクブーツは持たない方が多いですね…)

 

玉網が無くてもスパイクブーツは絶対に必要です。この装備が無い方は岩場やテトラ帯には絶対入らないでください。救命胴衣が合っても滑落するときに頭などを打って絶命したケースは多いのです。私の身の回りでも「友人の父、遠い友人、私のいとこ」と、三人も山越えや磯場での滑落事故で尊い命を落としています…。

 

私の経験では、スパイクのみの物よりフェルトとダブル機構になっているものがベストです。ツルツルの岩盤やテトラはスパイクピンが弾かれるのでフェルトの方がグリップがよく、撒き餌や海苔の付いているような状況ではスパイクの方が有効です。地域によって磯の質は違います。それを考慮して安全対策をしてください。

 

重ねて言いますが、他のどんな道具より(たとえロッドが無くても)

足元の装備の方が最優先ですよ!

 

 

以上は私が実践したメバリングによる尺メバルメソッドの一端です。もちろんめったに釣れる代物ではありませんが、私にしろ管理人の健太郎氏にしろ、狙った釣行で何とか結果は出せました。

 

以前の私は尺メバルは12月近辺の産卵期のみに狙っていたのですが、健太郎氏にしても5月の一時期だけで尺を二桁近く釣っていますし、冒頭の42cm6月に出ていることから、産卵期以外の「MEGA必釣パターン」がおそらく存在していることでしょう。コアなメバリングになることは間違いありませんが、メバリングのひとつの形として今後も追及していくつもりですので、皆様方もご協力のほどをよろしくお願いいたします。